団子鼻や丸い鼻先が気になって鼻整形を調べていると、「切らない鼻尖形成」という施術を目にすることがあります。
糸だけで行う切らない鼻尖形成は、皮膚を切開せず、医療用の糸で左右の鼻翼軟骨を引き寄せて鼻先を整える方法です。切開を伴う鼻尖形成と比べてダウンタイムを抑えやすい一方で、変化できる範囲が限られやすく、後戻りや糸の露出などのリスクもあります。
施術には、PCL(ポリカプロラクトン)などの吸収性素材を含む糸が使用されることもあります。ただし、使用する糸の素材や構造は施術方法やクリニックによって異なります。
この記事では、切らない鼻尖形成の仕組みやPCL糸の特徴、メリット・デメリット、後戻りが起こる理由、切開を伴う鼻尖形成との違いについて解説します。
糸だけで行う切らない鼻尖形成とは?
切らない鼻尖形成とは、鼻先を切開せずに形を整える施術の総称です。
一般的には、医療用の糸を使って左右の鼻翼軟骨を中央へ引き寄せる方法や、PCL(ポリカプロラクトン)などの生体吸収性素材を鼻先に挿入して、高さや形を整える方法があります。
糸を使う方法では、左右に広がった鼻翼軟骨を糸で中央へ寄せることで、丸く見える鼻先を細くシャープに見せます。「切らない鼻尖縮小」などと呼ばれることもあります。皮膚を切開せずに行えるため、切開を伴う鼻尖形成と比較して傷跡が目立ちにくく、ダウンタイムを抑えやすいことが特徴です。
PCL(ポリカプロラクトン)などの生体吸収性素材を使用する方法では、鼻先に軟骨の代わりとなるような構造体を挿入し、鼻先に高さを出したり、先端を細く見せたりします。PCLは時間の経過とともに体内で分解・吸収される素材で、製品によって糸状やメッシュ状など形状が異なります。
切らない鼻尖形成で使われるPCLについて
切らない鼻尖形成などの糸を使った施術では、PCL(ポリカプロラクトン)を含む吸収性の糸が使用されることがあります。
PCLは、時間の経過とともに体内で分解・吸収されていく生体吸収性の素材です。美容医療で使用される糸にはPCLを含むもののほか、PLLA(ポリ乳酸)などを組み合わせたものもあり、製品によって素材や構造は異なります。
「吸収性の糸なら、吸収されるまでは効果が続く」と考える方もいるかもしれませんが、糸が体内に存在している期間と、鼻先の形が維持される期間は必ずしも同じではありません。
切らない鼻尖形成は、糸によって鼻翼軟骨を引き寄せているため、糸や周囲の組織の状態によって固定力が変化すると、糸が完全に吸収される前でも後戻りを感じる可能性があります。
鼻尖形成と切らない鼻尖形成の違い
鼻尖形成と切らない鼻尖形成は、施術方法だけでなく、ダウンタイムや変化の幅、持続性にも違いがあります。
| 項目 | 切開を伴う鼻尖形成 | 切らない鼻尖形成(糸) |
| 施術方法 | 皮膚を切開し、脂肪の除去や軟骨の移植や調整を行う | 皮膚を切開せず、糸で鼻翼軟骨を引き寄せる、鼻先に軟骨様の組織を注入 |
| ダウンタイム | 比較的長くなりやすい | 比較的短い傾向がある |
| 変化の幅 | 軟骨の状態に応じて整えられる範囲が広い | 変化の幅は限定的になりやすい |
| 持続性 | 半永久的 | 数か月~数年 |
| リスク | 傷跡、感染、腫れ、左右差など | 糸の露出、感染、左右差、後戻りなど |
切らない鼻尖形成のメリット
糸だけで行う切らない鼻尖形成には、切開を伴う鼻尖形成と比較して次のようなメリットがあります。
皮膚を切開せずに施術できる
大きな特徴は、鼻先の皮膚を切開せずに施術できることです。
切開を伴う手術に抵抗がある方にとっては、検討しやすい施術の一つといえます。
ダウンタイムを抑えやすい
皮膚を切開する鼻尖形成と比べると、腫れや内出血などのダウンタイムを抑えやすい傾向があります。
「長期間仕事を休めない」「大きな腫れをできるだけ避けたい」といった理由から、切らない施術を検討する方もいます。
切らない鼻尖形成のデメリット
切開しないことはメリットですが、糸だけで鼻先の形を整える方法には限界もあります。施術を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが大切です。
変化できる範囲が限られている
切らない鼻尖形成でできる主な操作は、左右の鼻翼軟骨を糸で引き寄せることです。
しかし、鼻先が丸く見える原因は、鼻翼軟骨の広がりだけとは限りません。
鼻翼軟骨そのものの大きさや形、鼻先の皮膚や軟部組織の厚みなどが原因になっている場合は、糸で軟骨を中央へ寄せるだけでは十分な変化が得られないことがあります。
後戻りする可能性がある
切らない鼻尖形成は、糸による固定によって鼻翼軟骨を引き寄せた状態を保つ施術です。
PCLなどの吸収性素材を含む糸を使用している場合でも、糸が吸収される時期と施術の変化が維持される期間が一致するとは限りません。
時間の経過とともに固定力が弱くなったり、周囲の組織が変化したりすることで、施術直後より鼻先の変化が小さくなることがあります。
糸の露出や感染が起こる可能性がある
鼻の内部に埋め込んだ糸の一部や結び目が鼻腔内に露出したり、糸の周囲に炎症や感染が起きたりする可能性があります。
施術後に「鼻の中から糸が出てきた」「鼻の穴の中に糸のようなものが見える」という場合は、自分で引っ張ったり切ったりせず、医療機関へ相談してください。
鼻尖形成後に糸が見える原因や対処法については「鼻尖形成で糸が出てきたら?」で詳しく解説しています。
左右差や凹凸が目立つ可能性がある
左右の鼻翼軟骨は、もともと完全に同じ形をしているとは限りません。
糸で左右の軟骨を引き寄せることで、もともとの左右差が目立ったり、糸による引き寄せ方によって鼻先に凹凸などが生じたりする可能性があります。
切らない鼻尖形成は後戻りしやすい
切開を伴う鼻尖形成のように、鼻翼軟骨を直接調整したり、余分な脂肪や軟部組織を処理したりするわけではありません。そのため、時間の経過とともに糸の固定力が弱まったり、素材が吸収されたりすると、元の形に戻ろうとする力が働きやすく、後戻りが起こりやすいです。
鼻翼軟骨そのものの構造を大きく変える施術ではない
切らない鼻尖形成は、鼻翼軟骨を切除したり形を直接調整するのではなく、糸によって左右の軟骨を引き寄せます。
つまり、鼻先の構造そのものを大きく作り変える施術ではありません。
そのため、糸による固定力が弱くなると、施術直後より鼻先の変化が小さくなる可能性があります。
時間の経過とともに固定力が変化する
PCLなどの吸収性素材を使用した糸は、時間の経過とともに体内で分解・吸収されていきます。
ただし、後戻りは単純に「糸が溶けたから起きる」というものではなく、周囲の組織の変化など複数の要因が関係します。
固定力が低下すると、鼻翼軟骨が元の位置に近づき、鼻先の変化が弱くなることがあります。
鼻先の皮膚や軟部組織の厚みに影響される
鼻先の形は、軟骨を覆っている皮膚や脂肪、軟部組織の厚みも見た目に大きく影響します。
鼻先の皮膚や軟部組織が厚い場合は、鼻翼軟骨を中央に寄せても外見上の変化が出にくかったり、糸だけでは形を維持しにくかったりすることがあります。
切らない鼻尖形成は何年持つ?
切らない鼻尖形成の持続期間は、数ヶ月から1〜3年程度が目安とされています。
ただし、持続期間には個人差があり、使用する糸や施術方法、鼻翼軟骨の形や大きさ、鼻先の皮膚・軟部組織の厚みなどによって異なります。
また、PCLなどの吸収性素材を使用した場合でも、素材が体内に残っている期間と、鼻先の形が維持される期間が必ずしも一致するわけではありません。
時間の経過とともに糸による固定力が弱まったり、周囲の組織が変化したりすることで、施術直後より鼻先の変化が小さくなることがあります。
長期的な持続性を重視する場合は、切開を伴う鼻尖形成を検討しましょう。
団子鼻は切らない鼻尖形成で改善できる?
切らない鼻尖形成で団子鼻の改善は期待できますが限定的です。
鼻翼軟骨の横への広がりが主な原因であれば、左右の軟骨を糸で中央へ寄せることで鼻先が細く見える可能性があります。
しかし、団子鼻の原因が鼻翼軟骨の形や大きさ、鼻先の皮膚・軟部組織の厚みなどにある場合は、糸だけで左右の軟骨を寄せても十分な変化が得られないことがあります。
そのため、「団子鼻だから切らない鼻尖形成」と施術方法から決めるのではなく、まずは何が原因で鼻先が丸く見えているのかを確認することが重要です。
Core Clinicでは切らない鼻尖形成を行っていません
Core Clinicでは、切らない鼻尖形成は行っていません。
団子鼻や鼻先の丸みは、単純に左右の鼻翼軟骨が広がっていることだけが原因とは限らず、長期的な変化が得られないからです。
鼻翼軟骨の形や位置だけでなく、鼻先の軟部組織の厚みなども確認し、「なぜ鼻先が丸く見えているのか」を見極めた上で施術方法を選ぶことが大切だと考えています。
当院の鼻尖形成では、基本的にはオープン法の鼻尖形成を推奨しており、鼻先の軟骨を直接確認しながら形や位置を調整します。必要に応じて余分な軟部組織を処理するなど、一人ひとりの鼻の構造に合わせた施術を行います。
「できるだけ切りたくない」という希望だけで施術方法を決めると、変化量が少なかったり、時間の経過とともに後戻りしたりすることがあります。
鼻整形は、施術を繰り返すことで瘢痕や組織の変化が生じ、修正手術の難易度が上がる場合もあります。そのため、切らない施術を何度も繰り返すのではなく、初回から鼻先が丸く見える原因を見極め、必要に応じて鼻翼軟骨の調整や軟部組織の処理など、鼻の構造に合った施術を選ぶことが大切です。
できるだけ一度の施術で希望する形に近づけられるよう、長期的な変化まで考えて施術方法を決めましょう。
糸だけで行う切らない鼻尖形成についてよくある質問
切らない鼻尖形成は元に戻りますか?
施術直後より鼻先の変化が小さくなり、元の状態に近づく可能性があります。糸による固定力や周囲の組織の状態などによって経過には個人差があります。
切らない鼻尖形成の効果は永久ですか?
永久的な効果を保証できる施術ではありません。時間の経過とともに糸による固定力や周囲の組織が変化し、施術直後より変化が弱くなる可能性があります。
PCLの糸は溶けますか?
PCL(ポリカプロラクトン)は、生体内で徐々に分解・吸収される素材です。
ただし、美容医療で使用される糸にはPCL以外の素材や複数の素材を組み合わせた製品もあります。また、糸が吸収される時期と鼻先の変化がなくなる時期が必ず一致するわけではありません。
施術を検討する際は、使用する糸の素材や特徴についてクリニックへ確認するとよいでしょう。
切らない鼻尖形成の後に糸が出てきた場合はどうすればいいですか?
自己判断で糸を引っ張ったり切ったりせず、施術を受けたクリニックへ相談してください。鼻尖形成後に糸が見える原因や対処法については「鼻尖形成で糸が出てきたら?」で詳しく解説しています。
切らない鼻尖形成を受けた後に切開する鼻尖形成はできますか?
切らない鼻尖形成を受けた後でも、切開を伴う鼻尖形成を検討できる場合があります。
ただし、残っている糸の位置や周囲の組織の状態、炎症・感染の有無などによって対応が異なります。現在の状態を医師に確認してもらった上で施術方法を検討しましょう。
まとめ|切らない鼻尖形成はメリットだけでなく後戻りも理解して選ぼう
切らない鼻尖形成は、皮膚を切開せず、左右の鼻翼軟骨を糸で引き寄せて鼻先を整える施術です。PCLなどの吸収性素材を含む糸が使用されることもあります。
切開を伴う鼻尖形成と比較してダウンタイムを抑えやすい一方で、変化できる範囲には限界があり、後戻りや糸の露出、左右差などが起こる可能性があります。
特に団子鼻は、鼻翼軟骨の広がりだけでなく、軟骨の形や鼻先の軟部組織の厚みなど複数の要因によって生じます。
「切らないから」という理由だけで施術を選ぶのではなく、自分の鼻先が丸く見えている原因と、希望する変化に合った施術を選ぶことが大切です。
Core Clinicでは鼻先の構造を確認し、必要な施術だけをご提案しています。切らない鼻尖形成を検討している方や、自分にはどの方法が適しているのか知りたい方もお気軽にご相談ください。
