鼻尖形成を受けたあと、「鼻の穴から糸が出てきた」「鼻先から糸のようなものが透けて見える」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
鼻整形では、切開を伴う鼻尖形成で軟骨や組織を固定するために糸を使用するほか、切らない鼻尖形成としてPCL(ポリカプロラクトン)などを含む医療用の糸(スレッド)を鼻先に挿入し、形を整える方法もあります。
そのため、「糸が見える」といっても、切開を伴う鼻尖形成で使用した縫合糸が露出している場合と、切らない鼻尖形成で挿入したPCLなどの糸が鼻先の皮膚から透けて見えている場合では、原因や対応が異なります。
この記事では、鼻尖形成後に糸が出てきたり、鼻先からPCLなどの糸が透けて見えたりする原因、溶ける糸について、受診した方がよい症状や対処法を解説します。
鼻尖形成で糸が出てきた・鼻先から透けて見えたらどうする?
鼻尖形成後に糸が出てきたり、鼻先の皮膚から糸のようなものが透けて見えたりした場合は、自分で引っ張る、抜く、切る、押し込むといった処置はしないでください。
切開を伴う鼻尖形成では、鼻翼軟骨の形を整えるために軟骨同士を糸で縫合・固定することがあります。その糸を自己判断で抜いてしまうと、固定している組織や鼻先の形に影響する可能性があります。
また、切らない鼻尖形成で鼻先に挿入したPCLなどの糸が透けている場合も、無理に押したりマッサージしたりすると周囲の組織を傷つける可能性があります。
まずは施術を受けたクリニックへ連絡し、「どこから糸が見えているのか」「皮膚の外に出ているのか、皮膚越しに透けているのか」「赤み・腫れ・痛みなどがあるか」を伝えて、医師に状態を確認してもらいましょう。
鼻尖形成後に糸が見えるケースは大きく2種類
鼻尖形成後に「糸が見える」と感じる状態は、大きく分けると次の2つがあります。
- 糸の一部が鼻の穴や皮膚の外へ実際に出ている「糸の露出」
- 皮膚の外には出ていないものの、鼻先の皮膚越しにPCLなどの糸が透けて見える状態
どちらも見た目では判断しにくいことがあるため、「出ていないから大丈夫」「透けているだけだから問題ない」と自己判断しないことが大切です。
鼻尖形成で糸が出てきたり透けたりする原因
鼻尖形成で軟骨を引き寄せるために使用した糸が露出している
切開を伴う鼻尖形成では、左右に広がった鼻翼軟骨を中央へ引き寄せ、糸を使って縫合・固定することがあります。
通常、軟骨を固定する糸は周囲の組織に覆われる位置へ埋め込まれます。しかし、糸が適切な深さに埋め込まれていない場合や、術後の組織の変化などによって、時間が経ってから糸の一部が鼻の穴の内側や皮膚側へ露出することがあります。
傷口を縫合した糸が残っている
鼻尖形成では、鼻の穴の内側や鼻柱など、切開した部分を閉じるためにも糸を使用します。
抜糸前の糸が見えている場合や、吸収糸がまだ完全に吸収されていない場合には、糸の先端が鼻の中に見えたり、触った際に糸を感じたりすることがあります。
ただし、傷口を縫っている糸なのか、内部の軟骨を固定している糸なのかを自分で判断することは難しいため、自分で抜いたり切ったりするのは避けましょう。
切らない鼻尖形成で挿入したPCLなどの糸が鼻先から透けている
切らない鼻尖形成には、PCL(ポリカプロラクトン)などを含む生体吸収性の糸を鼻先に挿入し、切開せずに鼻先へ高さを出したり形を整えたりする方法があります。
施術後に「鼻先から糸が透けて見える」という場合は、挿入したPCLなどの糸が皮膚に近い浅い位置にある可能性があります。
鼻先は皮膚の厚みに個人差があります。皮膚が薄い方や、糸が浅い層に挿入されている場合には、鼻先の皮膚越しに糸の輪郭が線状に透けて見えたり、触ったときに内部の糸を感じたりすることがあります。
糸を使った鼻整形では、糸が浅い位置にあると皮膚越しに見えたり触れたりし、さらに表面へ移動すると皮膚から突出・露出する可能性が報告されています。
糸が透けているだけで直ちに感染しているとは限りませんが、以前より目立つようになってきた場合や、皮膚を内側から押し上げているように見える場合は、施術を受けたクリニックへ相談しましょう。
鼻先からPCLの糸が透けているだけなら放置しても大丈夫?
PCLなどの糸が鼻先の皮膚越しに透けて見えていても、赤みや痛みがなければ、すぐに感染などのトラブルが起きているとは限りません。
しかし、鼻先から糸が見えるほど浅い位置にある場合は、そのままにしてよいか医師に確認することをおすすめします。
浅い位置にある糸は、時間の経過とともにさらに皮膚側へ移動し、皮膚を押し上げたり、最終的に皮膚から露出したりする可能性があります。
特に、以前より糸がはっきり見えるようになった、鼻先の皮膚が薄くなったように感じる、赤みが出てきた、押すと痛いといった変化がある場合は早めに相談してください。
透けている糸を目立たなくしようとして、鼻先を強く押す、マッサージする、自分で位置を動かそうとするといった行為は避けましょう。
鼻尖形成で糸が出てきたときに注意したい症状
鼻尖形成後に糸が出ている、または鼻先から糸が透けて見えており、次のような症状を伴う場合は早めに医療機関へ相談してください。
- 鼻先や鼻の穴の中の赤みが強くなっている
- 一度落ち着いた腫れが再び強くなっている
- 痛みが強くなっている
- 膿や分泌物が出ている
- 鼻先に熱感がある
- 傷口が開いている
- 糸が以前より表面に出てきている
- PCLなどの糸が以前よりはっきり透けるようになった
- 糸が皮膚を内側から押し上げているように見える
- 発熱している
特に、術後しばらく経ってから赤み・腫れ・痛みが強くなった場合や、膿を伴う場合は、炎症や感染が起きている可能性があるため早めの受診が必要です。
鼻尖形成で出てきた糸を自分で抜いたり切ったりしてもいい?
自分で糸を抜いたり、出ている部分を切ったりしないでください。
切開を伴う鼻尖形成の場合、見えている糸が鼻翼軟骨などを固定している可能性があります。固定糸を無理に引っ張ると、周囲の組織や鼻先の形に影響することがあります。
切らない鼻尖形成で挿入したPCLなどの糸の場合も、皮膚から見えている部分だけを引っ張っても、糸全体を安全に取り除けるとは限りません。
また、途中で糸が切れて一部が内部に残ったり、周囲の組織を傷つけたり、細菌が入って感染につながったりする可能性があります。
皮膚越しに透けている場合も、押し込んだり強くマッサージしたりせず、そのままの状態で医師に確認してもらいましょう。
鼻尖形成の糸が出てきたら抜糸・抜去が必要?
糸が出てきたり透けたりしていても、すべてのケースで抜糸や抜去が必要になるわけではありません。
見えている糸の種類や位置、露出している範囲、炎症・感染の有無、どの施術で使用された糸なのかなどを確認した上で対応を判断します。
切開を伴う鼻尖形成の縫合糸であれば、露出している一部のみを処理できるケースもあります。一方で、感染などが起きている場合には、原因となっている糸の除去が必要になることもあります。
切らない鼻尖形成で使用したPCLなどの糸についても、透けている位置や周囲の組織の状態によって対応は異なります。無理に取り出すと鼻先の組織を傷つける可能性があるため、鼻整形の構造を理解した医師に相談することが大切です。
鼻尖形成から数ヶ月・数年後に糸が出てくることもある?
鼻尖形成後の糸の露出は、施術直後だけに起こるとは限りません。
糸を挿入した位置や使用した素材、周囲の組織の状態などによっては、施術から数ヶ月以上経ってから糸が透けて見えたり、皮膚の外へ露出したりすることもあります。
鼻のスレッド施術後の合併症を調べた報告でも、鼻先で糸が見える・露出するといった症例が確認されています。
「施術から何年も経っているから関係ない」と判断せず、以前はなかった糸の透けや露出が現れた場合は医療機関へ相談しましょう。
他院で受けた鼻尖形成の糸が出てきた場合も相談できる?
基本的には、まず施術を受けたクリニックへ相談することをおすすめします。
ただし、施術を受けたクリニックへの受診が難しい場合や、切らない鼻尖形成後のPCL素材の抜去を検討している場合などは、鼻整形の他院修正に対応しているクリニックへ相談する方法もあります。
Core Clinicでは、鼻整形の他院修正に対応しており、「鼻先オステオポール・PCL医療用素材 抜去」として修正を行っています。
PCLを使用した糸や医療用素材の種類、挿入されている位置、周囲の組織の状態などによって抜去できるかどうかや必要な施術は異なりますのでまずはご相談ください。
Core Clinicの鼻尖形成について
Core Clinicの鼻尖形成では、鼻先が丸く見える原因を確認し、鼻翼軟骨の広がりや軟部組織の厚みなど、鼻の構造に合わせて施術方法を決めているため、基本的にはオープン法を採用しています。
また、鼻先の皮膚や軟部組織の厚み、軟骨の状態によって必要な施術は異なります。「できるだけ切りたくない」という希望だけで方法を決めるのではなく、鼻先が丸く見える原因と希望する変化を確認した上で施術方法を選ぶことが大切です。
鼻尖形成の糸についてよくある質問
鼻先からPCLの糸が透けていても自然に吸収されるまで待てばいいですか?
PCLは生体吸収性の素材ですが、吸収されるまで待てば必ず問題ないとは限りません。
糸が浅い位置にある場合は、その間に皮膚側へ移動したり露出したりする可能性があります。透けて見える状態が続く場合は医師に確認してもらいましょう。
鼻尖形成の糸が少しだけ出ている場合も受診した方がいいですか?
少しだけであっても、その糸が何のために使用されているのかを自己判断することは難しいため、施術を受けたクリニックへ相談することをおすすめします。
鼻尖形成の糸が出ていても痛くなければ問題ありませんか?
痛みがなくても、露出した糸が周囲の組織への刺激になったり、後から炎症につながったりする可能性があります。痛みの有無だけで判断せず、状態を確認してもらいましょう。
溶ける糸なら自分で切っても大丈夫ですか?
吸収性の糸であっても、自分で切ったり引っ張ったりすることは避けてください。内部に糸が残ったり、周囲の組織を傷つけたりする可能性があります。
糸を抜いたら鼻先は元に戻りますか?
使用している糸の種類や目的、施術からの経過期間などによって異なります。
鼻翼軟骨を固定している糸や、鼻先の形を作るために挿入した糸を抜去した場合は、鼻先の形に変化が出る可能性があります。ただし、周囲の組織の状態によっても異なるため、「抜けば必ず元通りになる」とは限りません。
まとめ|鼻尖形成で糸が出てきた・PCLの糸が透ける場合は自己処理しない
鼻尖形成後に「糸が見える」と感じる場合には、切開を伴う鼻尖形成で使用した縫合糸が外へ露出しているケースだけでなく、切らない鼻尖形成で鼻先に挿入したPCLなどの糸が皮膚越しに透けて見えているケースもあります。
PCLなどの糸が浅い位置にある場合は、皮膚越しに見えたり触れたりすることがあり、さらに表面へ移動すると皮膚から露出する可能性があります。
見えている糸を自分で引っ張る、切る、押し込むといった処置は避けてください。特に赤み・腫れ・痛み・膿などがある場合や、以前より糸が目立つようになってきた場合は早めに医療機関へ相談しましょう。
Core Clinicでは鼻尖形成のほか、鼻整形の他院修正にも対応しています。鼻尖形成後の糸の露出や、PCLなどの医療用素材についてお悩みの場合は、現在の状態を確認した上で必要な対応をご提案します。
参考文献
- Thread Lifting of the Nose: Fully Comprehensive Approach to the Technique
Poly-L-lactic acid/poly-caprolactone(PLLA/PCL)糸を用いた鼻のスレッド施術について、553症例をもとに手技・持続性・合併症などを報告した論文。 - Non-surgical rhinoplasty through minimal invasive nose thread procedures: Adverse effects and prevention methods
鼻のスレッド施術における合併症と予防法をまとめた論文。糸が浅い位置に挿入されることで、皮膚越しに糸が見える・触れる状態となり、突出や露出につながる可能性について解説されている。 - Presentation Patterns and Surgical Management of the Complications of Thread Rhinoplasty
スレッドによる鼻形成後の合併症と修正手術について報告した論文。鼻尖部で糸が見える、または露出する症例が主な合併症として報告されている。
